山挽溜片口両次 渡辺喜三郎作(共箱)
荒く挽目を出した溜塗の蓋の付いた片口です。
これひとつで、懐石で使われる飯器と湯斗のふたつを
兼ねることができるように作られています。
杓子、湯の子掬い、通い盆(二枚)が付属しています。
新渡 染付細水指 松竹梅画 鵬雲斎箱書
新渡とは、古染付に比べて新しく日本に渡ってきたという意味で、
これは底裏に道光年製と書銘があり、清末期に中国で作られ、
日本に渡ってから水指に見立てられたものです。
内側の口周りには仏像の装身具である瓔珞(ようらく)が描かれています。
藤の絵茶壺 初代久宝作 共箱入
初代久宝(明治7年~昭和22年)は、
京都・泉涌寺の僧である久世仁渓の次男。
円能斎より「久宝」の号を受ける。
作品は仁清写の茶陶が多い。
父の久世仁渓は太田垣蓮月と交友が深く、
作陶を趣味としていた。
口覆、口緒、網、長緒、乳緒が添っている。
永楽家12代和全作 乾山写手鉢 永楽善五郎(17代)極箱入
鉢の胴体に描かれている山水画は、左から桜、松でしょうか。
楼閣の右には水の景色と満月が描かれています。
和全の生きた時代(文政6年~明治29年)は、茶の湯にとっても、
ひいては永楽家にとっても芳しくない時代でした。和全は、九谷焼改良の為
加賀に招かれたり、販売のため東京に出たこともありましたが、
作陶を続け、晩年は京都・東山の地で菊谷焼を始めています。
和全の作は、乾山風のものの他、金襴手・赤絵・青磁・交趾など多様です。
先代と比べ、全体に中国風の感じがすると言われています。
吉田華正作 瓢蒔絵漆茶碗 共箱入(新品)
吉田華正(1940年石川県生)は 、
山中漆器の蒔絵技法を活かした茶道具漆器を手掛ける伝統工芸士で、
黒楽風のこの茶碗もケヤキ材に漆を施して作られています。
外側には蒔絵で瓢箪が描かれ、内側は強度を高めるための
銀梨地加工がされています。
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